ル・ラパン・エレ

19/45
前へ
/615ページ
次へ
*** 「ここも天井、高いですね」  部屋もそうだったけれど、1階全体も船底天井になっていて、凄くゆったりして感じられる。  お部屋よりかなり大きめの羽うさぎモチーフのシャンデリアがぶら下がっていて、扉が開くたび空気の流れが出来るのか、微かに揺れてキラキラと光を跳ね返す。 「ウサギしかいねぇのな」  奏芽(かなめ)さんがポツンとつぶやいて……何故か私をじっと見つめてきて。 「――?」  キョトンとしたら、「ウサギを狙う羽の生えたキツネとか……1匹くらいいてもいいと思わねぇ?」って残念そうに溜め息をつくの。  その言葉に私はハッとする。  あ、私たちのアイコン!  気づいた瞬間おかしくてクスクス笑ったら、奏芽さんが嬉しそうに微笑んだ。
/615ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1546人が本棚に入れています
本棚に追加