1547人が本棚に入れています
本棚に追加
奏芽さんの言う通り、知らないうちに酔いが回っていたら怖いなって……恐る恐る立ち上がってみた。
けれど、幸いまだ足が立たないと言うことはないみたいで、ちゃんと真っ直ぐ歩くこともできた。
それを見た奏芽さんがホッとしたように吐息を落として、私も内心安堵の息をついたの。
「いいか、凜子。湯船には絶対浸かるなよ? 身体が温まるとアルコールの回りが早くなって危ねぇから。――あと、シャワーも立って浴びたりせず、椅子に腰掛けて浴びるように。いいな?」
噛んで含めるようにあれこれ言ってくる奏芽さんに、「奏芽さんったら何だかお母さんみたいですよ?」と思って、端なくも笑いが込み上げてしまう。
それで、「はい! わかりましたっ!」っておどけて敬礼してみせたら、奏芽さんがますます不安そうに眉根を寄せるの。
最初のコメントを投稿しよう!