ル・ラパン・エレ

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「あ……れ?」  途端グラッと視線が揺れて、慌てて壁にもたれかかって堪えた。 「冷たっ」  ヒヤリとしたタイルの感触で、何となく気持ちがシャキッとして。  それでもふわふわと頭に膜がかかったような感じは拭いきれなくて戸惑う。  わーん。まずいかも。  早く身体や髪を拭いて、着て隠さないと。  それをする前に倒れたりしたら、奏芽(かなめ)さんに恥ずかしい姿、見られちゃう――!  いずれ全てさらけ出してしまうはずなのだと理解してはいるけれど、こんな明るいところで痴態を晒すみたいに見せちゃうのだけは、何としても避けたい。
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