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布越しとは思えないほどはっきり感じられる手のひらの無骨な感触に、ふと視線を転じる。
と、いつのまにか胸元をはだけられていたことに今更のように気が付いて、にわかに恥ずかしくなった。
「か、なめさっ、ん……」
恥ずかしくて、自分の手で胸元を隠してしまいたいのに、それを察したみたいに私の片手を封じていたもう一方の手も、当然の流れのように所在なくさらされていたもう片方の胸に伸ばされる。
じかに感じられる奏芽さんの温かくて大きな手のひらの感触に、私はただただ戸惑った。
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