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だからと言って差し込まれた指は抜かれることはなく、そこに留まったままなのが分かる。
そのことに軽い違和感はあったけれど、ピリッとしたのは最初だけで、今は別に痛みはなくて。
私はふるふると首を横に振った。
「痛くは……な、いです……。ただ……びっくりしてしまって……」
いくら無知な私でも、そこが男性を受け入れための場所だということは理解している。
こんなに恥ずかしいぐらいぬるぬるとした蜜を吐き出すのとセットだなんて思いはしなかったけれど、これがどこかで耳にしたことのある「濡れる」と言うことなのかもしれないって今更のように理解した。
だとすれば、私の身体は奏芽さんをこんなにも求めているのだし、それに――。
「あのっ、だ、いじょうぶ、なので……お願い――」
その先の言葉だけは懇願するみたいに奏芽さんにギュッと抱きついて吐息混じりに吐き出した。
「やめないで……っ」
――心だって同じなの。
私のその言葉に奏芽さんが一瞬ぴくっと身体を固くなさったのが分った。
中に侵入させられたままの指先にその振動が伝わって、中がほんの少しこすられて。
「んっ、」
小さく声が漏れてしまった。
それでかな。
奏芽さんが「凜子?」と気遣わしげに声をかけていらして。
私は中に感じる彼の指を抜かれてしまうのが怖くなった。
「奏芽さん、私――」
さっき夢の中で強く感じたことを、私、奏芽さんに伝えなきゃいけない――。
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