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ギュッと身体を縮こまらせて、どこかに消えてなくなりたいと思っている私を、奏芽さんがきつく抱きしめてくれる。
「凜子、何で謝んだよ」
ポツンとつぶやくように言われて、私は何て答えたらいいのか分からなくて、両手で顔を覆った。
「……だって、私」
お漏らししてしまったのに、そこに触れてこない奏芽さんを見て、すごく気を遣わせてしまっているという思いがどんどん大きく膨らんで。
恐る恐る手を顔から下ろして奏芽さんを見詰めると、粗相で奏芽さんの手を汚してしまったことを謝ろうと深く息を吸った。
そんな私を落ち着かせるように、奏芽さんが先に口を開く。
「勘違いしてるかも知んねぇから一応言っとくけどな――」
奏芽さんが私の濡れそぼった下肢に優しく触れながら言うの。
「これ、失禁したとかじゃねぇから」
言われて、思わず「えっ?」と声を出してしまって、奏芽さんに「やっぱそう思ってたか」って小さく笑われてしまった。
「違う、んです……か?」
お漏らしじゃない?
だとしたら……何なんですか?
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