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外に出て燃えるごみ、プラスチック、瓶・缶、ペットボトルに分けられた4つのゴミ箱にかけられた袋をそれぞれ取り出す。
取り出したものは軽く中身をチェックして。
何度やってもこの作業は好きになれない。
ゴミ箱の中は結構雑多な感じで色んなごみが混ざり合っているし、何よりやっぱりにおいがしんどいよ。
夏に向かってどんどん暑くなっていく今のシーズン。
気温の上昇と一緒に異臭も上昇中。
でも片付けないわけにはいかないし、それを嫌ってごみ袋の取替え時期を逸してしまい、ごみが溢れてしまったときの方が悲惨だ。
明らかに分別違いのごみ――可燃ゴミの中に空き缶――を見つけた私は、火バサミで取り除いてから正しい分別の袋に入れ直して各々のごみ袋の口を結ぶ。
ゴミ箱には新しいゴミ袋を掛けて、とりあえず店舗前での作業は完了。
あとは――。
封をし終えたごみを一袋ずつ、店舗裏のごみ保管用倉庫へ運ばないといけない。
暑さと重さでふらふらしながら、まるで酔っ払いの千鳥足みたいにえっちらおっちらゴミ袋を運ぶ。
ごみを溜めている保管倉庫の扉を開錠して扉を開けたら、案の定すごい臭気でヒエ!ってなった。
息を止めてひとつ目の袋を中に放り込んでから溜め息をついた。
さっさと済ませて店内に戻ろう。
きっとその頃にはあの男だって、買い物を終えて帰っているはずだ。
ゴミ袋は全部で4つ。
残り3つ。ペットボトルは軽いからプラごみと一緒に1回で運べるかな。
ひとつめの袋とサヨナラした私は、次!……って思って踵を返して、存外すぐそばに鳥飼さんが立っていたのに気づいて驚いた。
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