*初めてをあなたに

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 奏芽(かなめ)さんの問いかけに私が小声で……でもはっきりと「はい」って応えたら、たくましい腕で強く抱きしめられた。  途端奏芽さんの身体に胸がギュッと押しつぶされたのが分かって、何だか急に恥ずかしくなる。  それに――。  太ももに当たってる固いの、奏芽さんの……?  そう意識した途端、すごく気になり始めて……。  思わずそぉっと布団の中を覗こうとして、ハッとした。  バカ凜子(りんこ)。  何してるの!  い、意識しすぎたらダメっ。気になって思わず見ちゃいそう!  そう思った私は、奏芽さんに失礼のないようギュッと目を閉じた。  そんな私に奏芽さんがクスッと笑って、 「なぁ凜子、俺がすることちゃんと見てなくて平気?」  汗で額に張り付いた私の前髪を、揶揄(からか)うように……でもとても優しい手つきで()いてくれながら問いかけてきて。  私は恐る恐る奏芽さんを見上げる。 「み、見ても……いいんですか?」  意を決して聞いたら「構わねぇよ」って……。奏芽さん、恥ずかしくないのかな?
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