*初めてをあなたに

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「あ、っ……えっ?」  その変化に思わず下腹部にギュッと力が入って、自分は今、確かに奏芽(かなめ)さんに穿(うが)たれているのだということを強く実感してしまう。  それと同時、両手を奏芽さんにさらわれて、恋人繋ぎみたいに指を絡められてシーツに縫い留められた。  そのまま間近から奏芽さんにじっと見下ろされて、それが今更のように恥ずかしくて頬が熱を帯びる。 「……凜子(りんこ)、さっきから(あお)りすぎ」  なのに奏芽さんから視線がそらせないのは、彼が物凄く色っぽい顔をなさっているから。  余裕がないみたいに短く荒く吐き出される吐息も、何かを堪えるように眉間に刻まれた縦皺(たてじわ)も、濡れ光って見える唇も、私を見下ろす切れ長の目も。  どれもが凄く官能的で、否応なく私に、奏芽さんのなかの〝男〟を突きつけてくる。
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