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「凜子が今、何考えてるのか当ててやろうか?」
ソワソワと奏芽さんの顔から視線を外した私の頬にそっと手をかけると、奏芽さんが瞳を覗き込んでくる。
「――あ、あのっ」
それになんてお答えしたらいいのか分からなくて戸惑っていたら、頬に触れていた指先で唇を割り開かされて。
「キスしたい、だろ?」
つぶやくようにそう落とされて、そのまま唇を塞がれた。
クチュクチュと、艶かしい濡れた音とともに熱い舌を擦り合わせるようなキスをされて――。
「――俺も凜子の唇見てたらキスしたくなったから……お相子、な?」
口付けを解くと同時、口の端を濡らした唾液を親指の腹で軽く拭ってくださってから、奏芽さんがそう言ってニヤリと笑うの。
ずるいよ、奏芽さん。
そんな風に言われたら、否定できない。
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