*俺に診察させて?

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 どうせ離してもらえないのなら。  このまま()かされてしまうのは嫌だ、と思って。  私をこんなに(みだ)らにしてしまうのが奏芽(かなめ)さんなのだとしたら、私だって奏芽さんを同じようにグズグズに崩したい。  そんな無謀なことを思いはしたものの、恥ずかしくて言えない私は、「……奏芽さ、んも一緒、が……い、ですっ」と口走ってしまっていた。 「凜子(りんこ)っ」  途端、奏芽さんに名前を呼ばれて抱き上げられて、湯船の中、彼にお尻を向けるような格好で立たされて。  彼の唇が下肢から離れたことにホッとして油断している私に、奏芽さんが 「ゴム、風呂場(こっち)に持ってきてねぇから……。凜子、協力してくれるか?」  背後から抱きしめるようにして、耳元でそうささやくの。  奏芽さんが何を求めていらっしゃるのか良く分からないままに、彼が私の両手を包み込むように浴槽の縁を持たせるのを成すがままに受け入れて。  予期せず背後の奏芽さんにお尻を突き出す形になったことが恥ずかしくてギュッと両足を閉じたら、何故か「上出来」って褒められた。  そのことに「え?」って思ったのと同時、 「ひゃ、ぁっ」  内腿(うちもも)の隙間に奏芽さんの猛々(たけだけ)しい熱がねじ込まれてきてドキッとする。  その感触に慌てて脚を開きそうになったら、 「お願い、凜子。そのまま脚、閉じてて?」  奏芽(かなめ)さんから吐息交じりに切なく強請(ねだ)られて、私はゾクリと身体を震わせた。  奏芽さんの懇願(こんがん)するような甘く(かす)れた低音ボイス。すごく色っぽくて、大好きっ。
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