貴方のものだと思えるから

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***  奏芽(かなめ)さんが私を追いかけてきてドアを開けたりしないよう、外開きの扉を押さえるように背中を預けて呼吸を整えてからゆっくりと顔を上げる。  途端、陽光に瞳を射られて思わず立ちすくんで。  でも――、うん。やっぱり、大丈夫。  自分にそう言い聞かせるようにして、私は一歩二歩と足を踏み出した。  前に試してみたときは、道端で見知らぬ男性とすれ違っただけで動悸がして歩けなくなってしまった。  金里明真(あの男)ではないと分かっていても、知らない男の人がみんな恐怖の対象で。  でも、今日は……きっと。  私、ひとりでもちゃんと外を歩いて行ける!  そんな気がするの。
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