貴方のものだと思えるから

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*** 「凜子(りんこ)ちゃん! ひとりで大丈夫って……本当に何ともなかった⁉︎」  大学に着くと、門のところに四季(しき)ちゃんが立っていて、私を見つけるなり走り寄ってきた。  少しもしんどくなかったと言ったら嘘になる。  でも私、あの事件以来初めて……。どこかで立ちすくんで動けなくなってしまうことなく、ここまでちゃんと1人で歩いて来られた! 「うん。ちゃんと……頑張れたよ」  四季ちゃんの顔を見たらホッとして、足の力が抜けてしまって。  それに気付いた四季ちゃんが、すぐに腕を支えてくれる。 「あっちでちょっと休もっか」  構内に入ってすぐのところに置かれたベンチを指さすと、四季ちゃんが私の手を引いてゆっくりと歩き出す。  私、情けないぐらい足がフルフル震えて、足取りが覚束(おぼつか)なくて。四季ちゃんと手を繋いで千鳥足(ちどりあし)みたいになりながら、何とかベンチまで辿り着けた。  久しぶりの独りぼっちでの外歩き。気が張っていて四季ちゃんの顔を見るまでは気付かなかったけど、知らず知らず結構無理してたのかなって反省した。  でも。  私、ちゃんとひとりで大学(目的地)まで歩いて来られたんだよね?  
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