貴方のものだと思えるから

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*** 「ね、そういえば誕生日はどうだったの?」  ふと話題を切り替えるようにして投げかけられた言葉に、私はビクッと肩を跳ねさせて瞳を揺らす。  同時に、ほっぺたがぶわりと熱くなったのが自分でも分かった。  四季(しき)ちゃんがそんな私を見てクスクス笑って。 「たくさんたくさん幸せにしてもらえたんだね。良かった」  そうして、瞳を細めて吐息を落とすの。 「わっ、私っ、何もっ」  ――言ってないよっ!?  そう続けようとしたけれど、目は口ほどに物を言うというやつなのかもしれない。 「今日ひとりで頑張ろうって思ったのって、ひょっとしてその影響もある?」  四季ちゃんに真剣な眼差しで見つめられて、私は小さくうなずいた。 「私、奏芽(かなめ)さんに全部全部もらってもらえたから……もう奪われるモノはないって思えて。それで」  言ったら、四季ちゃんが何かを察したみたいに一瞬だけ瞳を見開いてから「うん、そうだね」ってうなずいてくれた。 「あ、あとね、私。奏芽さんから――」  そこで、首元に手をやってゴソゴソして。 「これ」  そう言って四季ちゃんに手の中のものを差し出した。
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