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そうして今――。
奏芽さんの左手と、私の左手には婚約指輪とは別の、隣り合う面と面が、支え合うようにデザインされたシンプルなプラチナリングがはまっているの。
お互いに支え合うことで成り立つようにデザインされた結婚指輪は、寄り添い助け合うふたりの心を表していて、双方ともに無くてはならない関係を表現しているのだと、ジュエリー職人の方に説明された。
奏芽さんにとっての私はまだまだそんな域には達していないかもしれないけれど、私にとっての奏芽さんは間違いなくかけがえのない存在だから。
いつか私も、奏芽さんにそんな風に思ってもらえる伴侶になれたら。
そう思って、結婚式の日から――入籍はまだだったけれど、その指輪とともに奏芽さんと歩んできて。
妊娠後手足が浮腫みやすくなってからは、外して例のペアネックレスのチェーンに通すようになったけれど、いつも肌身離さず持っています。
入籍から十数ヶ月を経て鳥飼さん、と呼ばれることに違和感を感じなくなったのはやっと最近のことだ。
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