Epilogue

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 若先生を担当から外してしまったら、奥さんとの接点は無くなってしまうかな?と心配したのだけれど、幸い彼女は旦那さん専属の助産師さんと言うわけではなくて、シフト次第で3人のどの先生とも組まれるのだと知ってホッとした。  なのに。  妊婦健診の時には先生や看護師さんとお会いすることはあっても、助産師である彼女とはあまり出会えなかったし、母親学級の時も違う助産師さんが担当の日ばかりで、せっかく奏芽(かなめ)さんにワガママ言ってここを選んだと言うのに、結局ずっとお会い出来ず終いで。  せめてもの救いは、お目当ての奥さんに会えなくても、この病院が私ひとりでも徒歩で運動がてら通院出来るくらいに家から近かったことくらい。  このままお会い出来ないのかな?と少し残念に思っていただけに、久し振りに彼女のお顔が見られてちょっぴりホッとしてしまった。  開業医の妻の先輩として、色々お話を聞けたらいいなぁとか思ってソワソワとお顔を見つめていたら「そんな不安そうな顔しなくても大丈夫ですよー? 車椅子持ってきますね」とニコッと微笑まれた。
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