スタ特②『男の人って』

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 初対面ですぐ下の名前を聞いてきたり、妙に押しが強いところとか、本当ソックリで驚きました!と言われた俺は、凜子(りんこ)がその子を選んだことを喜ぶべきなのか正直戸惑った。 ***  男の人は定期的に出さないと、の話を一旦横へ避けるように、凜子が話題を変える。 「四季(しき)ちゃんも歳の離れた彼氏さんと付き合ってるって……前に話しましたよね?」  何だ、凜子。お前、俺に何の話をしようとしてるんだ?  ソワソワと落ち着かない様子で俺を見つめてくる凜子に、胸騒ぎを覚える。  片山さん、無垢(むく)で奥手な俺の凜子に何を吹き込んだ? 「確か……10歳差だっけ?」  凜子に緊張が伝わらないように、努めて平静を装って問いかけたら、「そう、10歳差です」と言って、またしても言いにくそうにうつむく。  凜子と片山さんが特に親しくなった要因の最たるものが、この、お互いに歳の離れた彼氏がいるということにあるというのは、俺も何となく理解している。  同年代の男と付き合うのとは、やはり少し勝手が違うところがあるんだろう。  若くて経験値が低い分、彼女らが同じような境遇の者同士で〝情報の共有〟をはかりたくなる、というのは俺も理解に(かた)くない。  そう、難くはないんだが――。
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