スタ特⑤『俺はあの時からずっと』

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「――本気、なんだな」  ややして温和(ハル)がしみじみとそうつぶやいて。  俺は「まぁな」と答えた。 「――俺たち、もう33じゃん?」  ああ、ハル。  お前が言いたいことは分かってるよ。 「40までには身、固めるから安心しろ」  言ったら、 「楽しみに待ってる」  ハルだけじゃなく、雨宮(あまみや)からもそう返された。  付き合い始めてたったの1ヶ月。  だけどな、俺の心は凜子(りんこ)に交際OKの返事をもらったあの瞬間から決まってんだ。  俺の隣で一生笑っていて欲しいって思えるのは凜子だけだ、って。  例えまだキスしかしたことがない相手だとしても――。  そんなふうにバカみたいに純なこと、この俺が思う日が来るなんてな。  正直な話、俺自身が一番驚いてんだよ。  いつかこの気持ちを凜子自身に伝える日がきたなら、凜子はどんな顔をするんだろう。  嫌だって言われたら……いま目の前にいる腐れ縁2人にも謝らなきゃなんねぇな。  そうならないように……凜子に結婚してもいいと思ってもらえる男になれるよう、頑張らねぇと。      END(2020/11/24)
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