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「まぁ、何にしても帰ったらしっかりハルにサービスしてやれよ?」
何となくハルが気の毒に思えて、アフターケアをしてやれよってつもりでそう言ったら、何故か音芽が真っ赤になって「お兄ちゃんのエッチ!」って睨みつけてきて。
ん?
音芽、お前いま、何考えた?
ハルとの生活で、音芽が変わったところ。
俺の可愛い凜子より、性に対して知識を持っている模様。
ま、人妻だからな。
あの小さかった音芽がなぁって思ったら、何だか妙な感じがして、俺は思わず妹をじっと見つめた。
「な、なにっ!?」
途端ソワソワと俺から視線を逸らせる音芽を見て、俺は何となくホッとしたんだ。
うん、この反応は俺が知ってる音芽だ。
「お兄ちゃんこそ凜子さんに嫌われないようにしっかり説明しなきゃ知らないんだからねっ!」
ちょっと髪型が変わったぐらいで凜子の気持ちが離れるとは思っちゃいない。
けどまぁ、無断でやっちまったし、そこはちゃんと納得してもらえるよう説明しないとな、とは思ってるさ。
「ああ、言われなくてもわかってるよ」
言って、「じゃ、俺帰るわ。またな」と、音芽に背を向けた。
この美容室と音芽たちの家はそんなに離れちゃいない。
俺が送ってやらなくても、十分歩いて行き来できる範囲だろ。
それに、俺が気にしなくても、音芽にはハルがいる。
俺はもう、凜子のことだけ考えていればいい。
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