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「けどさ、それさせてくれるような女じゃないわけよ、アイツは。だったらガッツリ着込んでんの、1から脱がせる楽しみ、味わいたくね?」
そこでやっと煮付けを口に入れて、同意を求めるように俺を見てくるんだ。
まぁな。
すげぇ分かるわ、それ。
恥ずかしがってんのを、言葉で更に追い詰めながら1枚ずつ脱がしていくのは、やっぱああいう時の醍醐味だからな。
極力ハルの相手が音芽だということは頭に置かないようにして、代わりに凜子で置き換えて考える。
そうするほうが実感が沸きやすいし。
ああ、けどこれ、反応しそうでやべぇな。
ま、でもきっとお互い様だよな、ハル。俺たちは似たもの同士なんだから。
「けど……バスローブとか着ててさ、脱がしたら下着だけってぇのもそそられね?」
筑前煮、美味いから食ってみろよ、と差し出しながら何でもないみたいにそう言ったら、ハルが「お! それも捨てがたいな」ってにやりと笑って。
俺が差し出した鉢ん中から里芋を選んで口に放り込んだ。
「あー、でも! バスローブ脱がしてみたら何も付けてなかったってぇのも、意外でよくね?」
ってもぐもぐしながら付け加えてくるんだ。
ああ、それもすげぇ分かる。
何かそうされるとさ。
今度は相手が恥ずかしがり屋な子であればあるほど、自分と肌を重ねる覚悟をしてくれてんのかな?って思えてグッとくるっちゅーか。
お返しに、とハルから差し出されたカレイの煮付けを一口もらいながら思わず顔がにやけそうになった。
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