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『指輪？ ブレスレット？ それともネックレス系？』
と返されて、考えるのそこからか！と内心げんなりする。
俺はちょっと迷ってから、まだ凜子は学生で結婚するにしても数年は先だし、と思って。
腕じゃ俺の仕事に支障が出そうだ。
「とりあえず首のほうで」
観念したように吐息まじりに告げたら、『了解。また連絡するわ』とやけに嬉しそうに温和が言うんだ。
「お前、音芽には言うなよ⁉︎」
『……あ？ ……あ、うん』
釘を刺したら、やけにイヤな間があった。
絶対音芽に言うつもりだな、ハルめ。
音芽が面白がりそうな姿が頭に浮かんで、ちょっとばかり兄としての威厳を失いそうでうんざりする。
しっかしハルのやつ、ホント、音芽をがんじがらめに縛るの好きそうだよな。
そんな幼なじみがどんな提案をしてくるのか不安がないと言ったら嘘になる。
けど――。
俺、そういうのはマジでうといんだから仕方ねぇだろ。
婚約指輪や結婚指輪を選ぶまでには少しはマシになっとくから……凜子の二十歳のプレゼントだけは……ヘタレな俺でも許してくんねぇか？
END（2021/02/15）
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