■ひとりで気負い過ぎんなよ(オマケ的短編)

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 今日は拓斗(タクト)が産院から退院してきて初めてのお風呂です。  入院中、助産師の花々里(かがり)さんにしっかりと新生児の沐浴のさせ方を習ってきたのだけれど、いざ1人で入れるとなるとどうしても怖くなって。  おまけにまだ身体も本調子というわけではないからか、腰のあたりにも少し不安が。  コルセットで骨盤を締めてはいるけれど、お風呂、ちゃんと入れられるかな。  拓斗(タクト)が生まれてくる前に奏芽(かなめ)さんと一緒に霧島(きりしま)さんのお宅から譲り受けてきたベビーバスなどを準備してはみたものの、どうにも踏ん切りがつかなくて。  どうしようかなって戸惑っていたら、奏芽(かなめ)さんが帰宅していらした。  リビングに入るなり、ソファにタオルや産着(うぶぎ)、新しいオムツがすぐ着せられるような形でセッティングされているのを見て、奏芽さんがスッと目を(すが)める。 「拓斗(タクト)、今から風呂か?」  ベビーベッドにいる息子をチラリと見やって、奏芽(かなめ)さんが問いかけていらして。
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