これってデートっていうのかな?

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***  結局回転寿司店ではカウンターにのぶちゃんと横並びで座ったので、持ってきた沢山の勉強道具を広げることは出来なかった。  のぶちゃんには、リュックの中にそんなものが入っていることは話していない。 「――で、どんなこと聞きたい?」  のぶちゃんが質問してくることにポツポツと返しては、間で単位の取り方や、参考になりそうな資料(テキスト)などを教えてもらった。 「ところで(りん)ちゃんさ、恋とか……そっちの方はどうなの?」  話が途切れた時、何でもないみたいにのぶちゃんに恋話(こいばな)の水を向けられて、ドキッとする。 「あっ、あるわけ……ないよ」  答えながら、ふと最低男の顔が浮かんで、ないない、絶対ない!と打ち消した。 「なっ、何で急にそんなこと……」  のぶちゃん、今までそんなこと聞いてきたことないのに。  不思議に思ってのぶちゃんを見つめたら、「いや、何かちょっと見ない間に随分をするようになったなって思って……心配になって」  悪い男に引っかかってたらさ、僕が全力で守ってあげないといけないし、と付け加えてから、ハッとしたように 「あ、気持ち悪いこと言ってごめんね。僕にこういうこと言われるの、凜ちゃん好きじゃないのにね」  って、慌てたようにお茶を飲む。 「き、気持ち悪いとか……ない、よ? 強いて言うなら.……のぶちゃんがそんなこと言うの意外で……ちょっとビックリしただけ」  今までこんな風に慌てたのぶちゃんを見たことがなくて、私は少し緊張が緩んだ。  あ。緊張――。  そう、気がつかなかったけれど、私、のぶちゃんと一緒にいて、緊張してたんだ。  だってこれ、デートなんじゃないかな?って、心の片隅で思って、何となくソワソワしてしまったから。
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