相手のことを知らないのはどっち?

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「――俺様気質の……チャラ男?」  恐る恐る第一印象を話したら「うっわ、ひでぇ」って笑われた。 「まぁ、でもそれ、間違いじゃねぇから否定はしないわ」  クスクス笑いながら、 「年齢(とし)は今年33な。凜子(りんこ)よりひと回り以上うえ……になんのか――」  言って、「もしかして凜子、まだ十代かよ」ってつぶやいてから、「年の差はまぁこの際目ぇつぶれ」とか……相変わらず勝手な人。 「仕事は知ってるよな? 凜子のバイト先の近くの小児科。あれ、親父が院長やってんだけど、俺は一応そこの、副院長で……周りからは若先生って呼ばれてる」  そこで自嘲気味に笑って、「凜子からしたらどこが若いんだよって感じだろーけど」って……。  目、つぶれって言っておいて気にしてるの、奏芽さんじゃん。 「私、年のことは別に気になりませんけど」  思わずムスッとした顔で言ってしまってから、しまった……って思ったけど後の祭りだった。 「そっか。気にならねぇんなら良かった」  ニッと意地悪く笑われて、もしかして誘導尋問に引っ掛かった?って思ってしまった。 「そういう計算高そうなところ、嫌いです」  悔し紛れにそう言ったら、「俺は凜子のそういう歯に衣を着せない物言いが好きだぜ」ってさらりと返して来るの。  もう、本当この人には絶対敵わないって実感させられて腹立たしくなる。  手にしたハンバーガーをモヤモヤに任せて大口を開けて思い切り齧ったら、大笑いされてしまった。  冷めてしまっていて、オマケに考えなしに噛み付いたから中身がほとんど出てきてしまった。  作ってくれた人に申し訳ない。
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