相手のことを知らないのはどっち?

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「――1人でも構わねぇから……心置きなく話せる友達、出来るといいな」  言いながら、凜子(りんこ)には俺みたいにガンガン食いついてくるようなやつが向いてると思うんだよな、って付け加えるとか……。  サラリと私の中での己の自己評価を高めてきますね。  でも、奏芽(かなめ)さんが言っていることは満更的を外してもいなくて――。  私はそういうのを誤魔化そうと、手にしたままだったアイスコーヒーをチューッと思いっきり吸い込んだ。  ん、苦いっ。ハンバーガーと一緒の時は思わなかったけど、単体で飲んだら結構くるかも……。  やっぱりコーヒーにはミルクたっぷりがいい。もっというと私はほんのり甘めのミルクティー派。  ほら、奏芽さん。偉そうなこと言ってるけど、私のことなんて全然わかってないじゃない。  そう思ってから、「そっか。だってこれ、かなめさんが自分のために買ったやつだったもんね」と思い出して溜め息がこぼれる。  考えてみたら、奏芽さんはまだ何も食べていない。  私の方こそ奏芽さんのこと、何にも分かってないじゃないっ。 「――で、結局何時?」  重ねて聞かれて、私は小声で「17時頃には」って答える。それに「了解」って言うと、奏芽さんがニヤリと笑う。 「正門近くに白いボルボ。前にコンビニで一度見たことあんだろ? あれで迎えに来とくから」  今週いっぱいはバイトもないから……その後もフリーで……。  奏芽さんの言葉にうなずきながら、心の中でそっとそう付け加えてから、自分でもそんなことを思ったことに驚いてしまった。
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