曖昧な関係

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 今日は3コマしか講義がなかったので、いつもより早く帰れる。  奏芽(かなめ)さんは正門のところに迎えに来るって言っていたけれど、本当かな。  学生の身分で外車でお迎えに来てもらうとか……すごく贅沢なことなんじゃないかと今更のように気付いてソワソワし始める。  それじゃなくても奏芽さんは長身でかなり整った顔立ちをしている。しかも金髪。  そんな人が外車で、ってめちゃくちゃ目立つんじゃないの!?  もしそうだとしたら……地味子街道(かいどう)まっしぐらだった私には、かなりハードルが高い気がする。  ちょうど私と同じように3コマまでで授業のはけた面々が、ちらほらと正門付近に集っている。  お願い、奏芽さん。正門真正面とかは……やめてね。  ドキドキしながら恐る恐る前方を見たら……。  あぁぁぁぁ。  めっちゃ目立つところに!!  近くを歩く学生から「あの人すごいかっこよくない? 誰のお迎えだろ?」とかそんな声がちらほら聞こえてきていて。  ひぃーーー。とてもじゃないけど「はい、私のお迎えです」とは言えない雰囲気だよおー。  回れ右して別の門からこっそり出ようかな。  そんなことを考えて、でもそうしたら奏芽さんを待ちぼうけさせてしまうことになるって思って出来なくて。  あーん。バカなの凜子(りんこ)。  何で連絡先、交換しなかったの!  せめてメールとか交換していれば、裏から出ますってメッセージができたのに!  思ってから、中途半端な今の状態で連絡先の交換とか……ダメか、って思い直す。  のぶちゃんとはお互い幼なじみだから知っているだけ。  だけど奏芽さんはそうじゃない。
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