ショッピングにはご注意!

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「よー。めちゃくちゃイケメンじゃんか。よく捕まえたなぁ。」 「…っ、変なこと言わないで。親戚の、お兄さんなの!」 「えー?お手て繋いで?」 「私、妹みたいに思われてるから…昔からよ。」 「ふーん。」 「学校で彼氏居たとか、絶対言わないでね!」 「親戚が超イケメンってのは言っても…」 「絶対!ダメ!!」  私の凄い剣幕に気圧されたのか、降参って感じで手をヒラヒラさせて。 「わーったよ。言わない。」 「……約束。」 「はいはい。約束する。」 「よし。」  思わずぐっと拳を握った私を見て、石橋君は目をパチパチさせた。 「何だか、お前…楽しそうだな。」 「え、そう?」 「学校居るときとはまた違って、イキイキしてるっつーか。」  カインといるせいかな?なんて思って、胸がほわっと温かくなる。  バレなくて良かった、って安心感もあるせいなのか。  いつも以上に笑顔になった。 「いい買い物出来て、幸せだからかな?」 「お、買い物でストレス発散か。」 「そうそう。そんな感じ!」  あはは!と笑いあった。 「じゃ、俺まだ買い物あるから行くわ。」 「うん。また学校でね!」 「おー!」  バイバイ。と手を振って、踵(きびす)を返すと。  思いのほか近くにカインが居て、思わずビクッと体を揺らした。 「!ビックリした。あ、お待たせしてごめんなさい。」 「いや、いい。あいつは…」 「まだ、お買い物があるって行ったよ。」 「……ひなこと、仲が良いのか?」 「え?んーそうだね。よく話すほうかな。」 「……。」 「…どうかした?」 「……何でもない。帰ろう。」 「?うん。」  少し強引に手を引っ張られ、そのまま駅に着き、あっという間に電車の中。  ……どうしたんだろ。  何か怒ってる?  行きとは違って、何か…ピリピリしてるって言うのかな。  カインの周りに、近寄りがたい何かが出てる気がする。  表情も固くて。  結局何も話しかけられないまま、最寄り駅に着いた。
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