未知との遭遇

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  ひえええ!  すぐに身体を起こそうと、したんだけど。  しっかり抱き締められてて身動きが取れない。  ドキン、ドキン…。  痛いくらい心臓が音を立てる。 「……フッ。元気な心臓だ。」 「…う……。」 「…そう怖がらなくとも大丈夫だ。」  怖がってるんじゃなくて。  照れているんです!なんて言えるわけもなく。  誤解されたまま、優しく微笑まれて居たたまれない気持ちになる。  もうどうしたらいいの?  早く離してほしい。  だけど、ぎゅっと抱き締められるのって…安心するっていうか、ドキドキするんだけど、心地良い気がする。  ほわほわした気持ちになっていると。  ゆっくり私の首もとへ、その人は顔を近付けてきた。 ──チクン。  針に刺されたみたいな痛みが突然襲ってきて。 「……っ!」  今度はジュルって、何か啜(すす)るような音が聞こえてくる。  え?  く、首、舐められてる?  ひんやりとした舌が、チクンとした辺りを味わうように舐めていて。  どどど、どういうこと?  パニックになる私をよそに、はぁっと色っぽいため息が首にかかる。  くすぐったいのに、何で。  私の身体…変。  熱が出たみたいに、カッと体温が上がったような、そんな感覚。  頭もぽーっとしてくる。
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