8357人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
野呂は35歳だが猫背で無気力な雰囲気に包まれているせいか40歳位に見える。
身長は摩耶より2センチ高いが猫背の為に並ぶと低くい。
逆に摩耶はスカーレットの口紅にパープルのアイシャドウで華やかな顔立ちに伴い、背筋がピーンと伸びているせいか25歳位に若く見えた。
月に2回位、野呂は買い物に付き合わされる。その時は荷物運び兼、運転手。そして摩耶はイケメンのレンタル彼氏と腕を組み颯爽と歩く。
野呂は二人の後ろを、ノロノロと荷物を持ちながら付いて行く。
まるで使用人に見える。
「ノロノロ歩くんじゃない野呂!」
「畏まりました。スカーレット様」
摩耶は家でも外でも野呂にスカーレットと呼ばせている。
摩耶は独占欲と執着心が強いせいか野呂に逃げられないように結婚しているのかも知れない。摩耶にとって野呂はペット以上の存在だ。
野呂は鍼灸師の国家資格を持っている。そして自分が誰だか分からない重度の記憶喪失者である。
2人は結婚して2年目になる。
最初のコメントを投稿しよう!