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「持田か……」
田丸の弟も、あれだけ動き回れるのならば、将来は有望のスポーツ選手になるかもしれない。だが、眠ったままで目を覚ましていない持田の弟は、他とは少し違って見えた。
「何が違う??」
どこが違っているのかと、周囲を比べてみると、母親の緊張感が際立って凄い。持田の父親も、卒園式よりも弟のほうを見続けていた。
「そうか……持田の弟は天才なのか?」
「そのようですね。二歳になりますが、既に大学レベルの文章解読能力を持っています」
文章解読能力というのは、何の事かと聞き直してみると、既に地球上にある言語の全てに精通していて、主要用語では大学生並みの能力があるらしい。
「今度、市子の息子と喋らせよう」
市子の息子も、変人予備軍なので丁度いい感じがする。
しかし、俺を狙撃した犯人は持田の弟、眞次郎を狙っているらしい。
「何故、狙う……」
天才の場合は誘拐されるケースが多いが、今回は狙撃してきた。だが、まず俺を脅してきたという事は、単純な解釈では、俺が公安だと気付いていて警告している。だが、俺を狙った流れ弾で、眞次郎を殺そうとしたという事も考えられる。
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