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もし、鈴木が伊勢谷を師匠として見ていたとしたら、同じようにストーリーを組むだろう。
「まず、俺達のいる、この部屋から爆発し、俺達は逃げている。鈴木は、市子の所にいるので、俺達の誰かが犯人ではないかと疑われ始める」
すると、第九公安部を狙った爆弾も、自作自演の疑いを持たれてしまう。
「この部屋のどこに、爆弾があるのですか?」
西海は、自分のバイクを確認していた。
「鈴木は警察の人間だから、警察に自由に出入りできる。だから……」
俺は本村の車のボンネットを開き、内部の構造を確認してみた。
「下に爆薬が無い事は確認している」
エンジンに直結している線をたどってゆくと、運転席下に繋がっていた。
座席を取り外して、更に確認すると、そこに爆薬がセットされていた。
「本村、この映像を警察に送り、鈴木がやり過ぎた事を証明しておいて」
「既に報告した。公安に謝罪がいくはずだ」
この線は、エンジンの稼働に直結して作動するものではなく、ここで発電して、エネルギーを通信機器に送っていた。
すると、このデパートの位置情報が、鈴木にバレているという事になる。
「樹来々!」
『情報操作し、この部屋からの通信は止めています。更に、常に、本村様の車から出ていたとしても、余計な通信は一切を遮断しております』
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