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既に並んでいたので、最後尾に行くと、そのまま並んで入場してみた。すると、席に座る前に、保護者の一人が寄ってきて俺を抱えた。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんの真似をしたいのかな。ボクはこっちで、見ていようね」
「いや、俺も卒園するのです!」
どうも、園児の弟が混じったのだと、勘違いされてしまったらしい。園長先生も慌ててやって来ると、保護者の男性に頭を下げていた。
「この子も、卒園なのです」
園長先生は、俺を椅子に座らせると、再び慌てて檀上に戻っていた。
椅子に座って園長先生と、担任の話を聞いていると、次第に眠くなってきて、気が付くと爆睡していた。
「夏目君!卒園証書を取りに来てね」
「はい!」
名前を呼ばれて慌てて飛び起きると、椅子から落ちてしまった。すると、シュッツと言う音と共に、椅子が倒れて吹っ飛んだ。周囲は俺が寝ぼけて椅子から落ち、かつ椅子を倒したと爆笑しているが、そうではない。
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