幸せなら手をたたこう

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皆が、僕のことを陰で笑い物にしていることは知っている。

でも、誰も表立っては何も言わない。

『ああいう可哀想な人をいじめてはいけない』と、そういう気持ちがあるんだろう。

それならそれで、気楽でいい。

そんな僕の人生に変化が起きたのは、六月の、ジメジメとした雨の日だった。

「山下幸です。よろしく」

山下幸。

彼が、転校してきた。

彼に出会って、僕の人生は大きく変わることになるのだけど、もちろん出会った当初の僕は、そんなこと、知る由もなかった。