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山下くんをお昼に誘ったりデートに誘ったりするのは何もさっきの彼女だけじゃない。 山下くんは人気者だから、いつも誰かに囲まれている。 それなのに山下くんがその人たちを振り払って僕に構おうとするから、僕は益々クラスから浮くようになった。 僕を蔑み、嘲る言葉が、陰ではなく表で聞こえるようになった。 朝学校に着くと、机の中に、腕の無い気味の悪い人間の絵が描かれた紙が入っている。 歩いていると突然、支える腕のない右側に突き飛ばされることがある。 山下くんがいないところで。 山下くんが、いないところで。
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