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さーて、どこにいるのかなー?
作戦は簡単。
寝ているおじいちゃんにいきなり飛びついて驚かせてやろう! という、極々単純なものである。
「……っ!」
いた。
畳の上に敷いてある布団。
すっぽりと覆われてしまっているけれど、その中に確かに人影があった。
ひとまず廊下に身を潜めた私は、じーっとそのタイミングを見計らう。
……うん。今のところ起きる気配はないわね。
よし、今だっ!
「久しぶりーーー!」
そう叫ぶとともに、勢いよく抱きついた。
すると、ふわり。
布団の中から、鼻腔を擽るお日様みたいに爽やかな香りが舞って、私を優しく包み込んだ。
……ん?
あれ、ちょっと待って。
思い切り匂いを吸い込んで、布団越しにぺたぺたと触ってみる。
お、おじいちゃんって、こんな匂いだっけ?
それに、こんなに大きかった……?
急速に膨らんでいく、得体の知れぬ緊張感。
そんなモヤモヤを晴らすべく、恐る恐る布団を剥いで覗き込んだ、その直後──。
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