3章

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ブリーフィングから解放された後、俺はその足で兵舎に併設されている大食堂へと向かった。 従軍関係者のみが利用できるこの施設は普段は賑わっているのだが、今日の客はまばらだ。 それもそのはずで、艦内の全小隊が一斉に行う月例ブリーフィングの後は、皆こぞって別区画の洒落た料理店へ散らばっていくのだ。 要は打ち上げ。 何にせよこの一斉外食は、月ごとの恒例行事。 勿論ハチゴーも例に漏れず、今回はシルヴァー小隊長の好きなナンの美味しいインドカレー屋へ行くのだそう。 ミトモには戦闘レポートを纏める作業が残っているからと言って断った。 「ふーん。 アッシュがレポート作業に追われるなんて珍しいじゃん。 まあ頑張ってね」 もう少し手間がかかるだろうという予想に反し、ミトモは少し訝しげな顔をしただけですぐに納得してくれた。 当たり前といえば当たり前か。 小隊長に気に入られようとあの手この手を尽くしているミトモのことだ。 ライバル──俺は別に小隊長に気にいられたいわけではない──が1人減るのは願ったり叶ったりだろう。 そもそも、小さなタブレット型のサプリ数粒で食事を済ます人間を、飲食店に連れていく方がおかしいのだ。 というわけで俺は今、清潔に保たれた食堂の一番端の1人用のテーブルに座り、サプリの入れ物を手でいじっている。 脳内に、文字通りの頭痛の種を抱えながら。
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