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一 鏡マユコちゃんは僕のクラス一の可愛い女の子だ。 そんなマユコちゃんが昨日の放課後、クラスに僕が一人きりの時にそうっと入ってきて「ねぇ、高橋君」と声をかけてきた時には僕は驚いて心臓が裏返りそうになった。 「かかか、鏡さんっ!?」 後ろにはマユコちゃんが立っていて、頬を赤らめている。 僕と目を合わせるとさっと下にそらして「あの、これ」 そういって差し出してくる手には手紙が握られていた。 「……えっ?」 「あの、その、受け取ってください! マユコちゃんはそう言って僕に手紙を持たせるときびすを返し、ぴゅーっと走り去っていってしまった。 何なんだったのだろう……。 でもこれはもしかして。 僕は受け取った手紙に目を落としながら、気づけば表情がニヤついていた。
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