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写真の中のマユコちゃんが下着の下を露呈することはなくて、そのさらに先。一段、二段飛ばしに皮膚が今度は透けていき写真は反転したような色合いになって黒と白が覆ったコントラストが見せるのは人間の中身。 レントゲン写真よろしく彼女のおしゃれなしゃれこうべでも見えてくるかと思えば実際には異なった。 「つまり、こういうことだ」 じいちゃんは椅子をくるっと半回転させて僕のほうに体を向けて、僅かな上下差から僕の表情を覗き込むように下から見つめてきてそう言った。 「な、なんだよこれ……」 そこにあるはずの白、骨はどこにもなかった。 「彼女、鏡マユコは人間じゃない。爆弾だ」 「……は?」 「ご覧のとおり、というわけだ」 「……つまらない加工だろ、どうせこれは!」 「違う。わしの海外の友人から送られてきた写真だ。彼女は爆弾で―」 「嘘だっ!鏡さんが爆弾だなんて、そんなわけが」 あるかっ!と僕は叫ぼうとした途中でふっと体から力が抜けていくのを感じて、塞ぎ目を穿たれた風船みたいに急激に元気がしぼんでいった。 視界が急にぼんやりと霞み、うっすら視界の先に見えるじいちゃんの右手には小さな注射器が――
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