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酷い夢を見た。
マユコちゃんは待ち合わせの場所で一人きり。その表情はプンスカ怒っており、もうっ!と鼻息荒く憤怒を表情に宿したその瞬間「カチッ」という音を何処からともなく聞いた。
その瞬間、辺り一面がまばゆい光に包まれた。
大爆発はすぐさま町から世界全域に広がり、すべてを無に帰していく――
ガバッとふとんを払い除けて起き上がるとびっしょりと汗をかいており、酷い悪夢にうなされていたことを思い出せた。
夢の内容は今でもはっきりと覚えていて、この町は跡形もなく吹き飛び、近隣に与える影響も甚大であって世界地図は地獄絵図と化していた。
「ああやっと起きたか!」
声に気づいて横を見ればすぐ近くにじいちゃんが居た。
「まったくいつまで寝ているつもりだ!遅刻するぞ!」
「えっ!?」
僕はあわてて目覚まし時計に目を向けたが、時刻はまだ7時半手前だった。
「もう、じいちゃんは心配性だな。まだ7時じゃないか」
「こらっ!寝るな!そうやって二度寝して遅刻したらどうする!?」
じいちゃんは枕元で騒がしくするので眠ろうとしても眠れず、ああもう煩いな!!僕は布団を再び飛び起きた。
「わかったよ!起きればいいんでしょ!!」
「わかればよろしい。もう朝ごはんもできてるぞ」
「えっ!?じいちゃんが作ったの?」
「そうだ」
「まじか……」
研究ばっかで家事なんて一切できないと思っていただけに意外だ。
でも意外と料理なんかもできるのか。見直したぞじいちゃん。
そんな思いでダイニングに行ってみれば、やっぱりだ。
料理を作っていたのはロボットで、鞠を四つ五つ重ね合わせて作ったような丸いフィルムのロボットが小さなエプロンをつけて、傘の受骨みたいな腕の先におぼんをまっすぐ水平に乗せてテーブルにお皿を運んでいた。
「それで、プランはもう立ててあるんだろうな?」
僕が席に着くとじいちゃんのほうも向かいの席に座って自分の目玉焼きに胡椒を振りかけながら聞いてくる。
「えっ?ええと、うん……」
「なんだか歯切れが悪いな?」
「それなんだけど……」
目をそらすようにして下を見ると自分の前に置かれたワンプレートが目に入る。
目玉焼きに厚めのハムが二枚。キャベツの千切りがちょこんと端に添えられ、ミニトマトは原型のまま二個。
「ドウゾ」
「ありがとう」
ロボットからご飯茶碗を受け取り、なかなかこんもりと盛られている。
「こんなに食べられるかな」
「スタミナつけておかんと駄目だぞ!」
「それはそうかもだけど」
「で、どうなんだ?どういうプランにしたんだ?」
じいちゃんはぐいぐい迫って聞いてくる。
「ええと、それなんだけど……」
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