幸を掴む

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新しいご主人様との生活は、温かい日々だった。僕が望んでいた事は、全てやってくれた。お腹を見せると撫でてくれ、ボールをくわえて持っていくと、投げて遊んでくれた。散歩も毎日連れていってくれ、ご飯も毎日用意してくれた。時々、隣町のドッグランという場所にも連れていってくれて、僕は思いきり遊ぶ事が出来た。僕が汚れた時は、お風呂にも入れてくれる。僕は、ご主人様が大好きになった。僕に沢山の幸せをくれたご主人様に恩返しをしたい僕は、しつけられた事は必ず守り、芸も早めに覚えた。 「サチオ、よし!ご飯どうぞ」 待てをくらって10分後、僕はようやくご飯を食べる許可をもらった事もあったけど、食べたくても食べられないあの頃と比べたら、辛くなかった。みんなは、元気かな?僕と同じように幸せにしてもらった子はあの後現れただろうか? 僕の新しいご主人様は、レコさんという。 レコさんが現れなかったら、僕はあのペルシャ猫と同じ運命を辿っていたかもしれない。 だから、毎日有難う、レコさん。
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