犬は怜悧な男に囚われる

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 ゆっくりと辰の中に沢城のモノが挿入されていく。 「辰」  比べものにならないモノを中で感じ。それが奥を何度も貫く。 「ひゃぁっ……! ふぅ、ん、んんッ」  腰を支える様に手を添えていた沢城の手が胸を撫で乳首を掴み指で擦る。 「……あぁぁぁ、ソコも触られたら、んっ、もう、おかしくなる」  上からの刺激もプラスされ、たまらなく腰を振る。  頭の中が真っ白になり、ほどなくして達するが、まだ揺らぐ腰に体が反応してしまう。 「あっ、ん……、沢城さん」  放った後なのに下半身はまだまだ辰の中へと入りたがっている。 「まだ、やれますよね?」  と後ろを撫でられたら、もっと咥えたいとひくひくとしてしまう。  それから何度も貫かれて熱を放ち、足に力が入らなくなってそのまま崩れを散るように足を折れば、やっと中から抜き取られ解放された。  女のように扱われて悦に入る自分が情けない。だが、沢城とのセックスは女としたよりも気持ちよかった。  身を起こしてベッドから出ようとしたとき、沢城に手をつかまれて引き留められる。 「もう少し休んでいなさい」 「いえ。俺、帰ります」 「シャワー、一緒に浴びましょう」  と抱きしめられて、辰は沢城を拒否するように身をよじる。 「こういうことは二度としないでください。俺は女じゃありません」  また沢城と寝てしまったら、自分はもう受ける側しかできなくなりそうだ。  ただ、性欲を吐き捨てるためだけなら女とした方がいい。男となんてごめんだ。 「女扱いなんてしていませんよ。本気ですから」 「……は?」  何を言っているのだろう。やはり沢城のことはよくわからない。  聞かなかったことにしようと辰はベッドから降りて床に散らばった自分の服を拾う。
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