ドブの神様

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日曜日。美香はおかしを食べながらバラエティ番組を見ていた。 母が言った。 「美香、悪いんだけど、ドブ掃除してくれなかしら」 「はぁ?」 美香はテレビから目を離さずに返した。 「うちの地区、月に一度はドブ掃除しなきゃいけないのよ。ほら、いつもお父さんがしてるでしょう。でも、今はあの体だから」 美香の父は三日前、会社帰りに車と接触しそうになった際に転んで右腕を骨折したのだった。 「掃除しない家は地区会に5千円払わなきゃいけないのよ」 「いやよ。お母さんがやればいいじゃない」 「お母さん、腰が痛いのよ」 「じゃあ5千円払えばいいじゃない」 「それなら毎月あんたがうちに入れる額、5千円値上げするわね」 「なんでよ、ひどいー」 「つべこべ言わずに早く行きなさい!」
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