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美香は必死にヘドロをすくい、指輪を探した。ものすごく嫌だったが、ゴム手袋を嵌めた腕をドブの中に突っ込んで探した。
だが、指輪は見つからない。
美香が途方に暮れていると、突然、ドブから禿老人が立ち昇った。
「ぎゃあああ! 変質者!」
「失敬な。わしはドブの神様であるぞよ」
「はぁあ?」
「お嬢さん。とてもお困りのようじゃの。わしがなんでも願いをかなえてあげるぞよ」
「指輪がドブに落ちたの。お願い、見つけてくれる?」
「お安い御用ぞよ」
ドブの神様はドブに消え、しばらくして現れた。
ドブの神様は握っていた手を開き、3つの指輪を見せた。
「お嬢さんの指輪はどれじゃの?」
美香は目をみはった。
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