ぐずついた空

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 そんなことを考えていると、男の子が突然怯えるように駆け出す。僕は反射的に背後に振り向いた。 「うわ……っ!?」  そこに立っていたのは、屈強な大男だった。 「な、ダレだ……ですか。」  この状況で咄嗟に敬語が出た自分を褒めてやりたかった。 「お前は、確か……。」  ぶっきらぼうに、その大男――いや、この人はヒューゴと言ったような気がする。以前に、数回見かける機会があった。 「今、エクヴォーリのメンバーがこんなとこほっつき歩いてたら危ねぇぞ。とりあえず、着いてこい。」  正直、困惑していた。だが、ヒューゴさんはどんどん歩いていってしまうので、追わざるを得なかった。 「あ、僕、チーシャオって言う……んですけど。」 「そうか。」ヒューゴさんはそう言い放ったきりだった。僕に興味が無いのか、それとも普段から会話をしないのか……。
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