6人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
そんなことを考えていると、男の子が突然怯えるように駆け出す。僕は反射的に背後に振り向いた。
「うわ……っ!?」
そこに立っていたのは、屈強な大男だった。
「な、ダレだ……ですか。」
この状況で咄嗟に敬語が出た自分を褒めてやりたかった。
「お前は、確か……。」
ぶっきらぼうに、その大男――いや、この人はヒューゴと言ったような気がする。以前に、数回見かける機会があった。
「今、エクヴォーリのメンバーがこんなとこほっつき歩いてたら危ねぇぞ。とりあえず、着いてこい。」
正直、困惑していた。だが、ヒューゴさんはどんどん歩いていってしまうので、追わざるを得なかった。
「あ、僕、チーシャオって言う……んですけど。」
「そうか。」ヒューゴさんはそう言い放ったきりだった。僕に興味が無いのか、それとも普段から会話をしないのか……。
最初のコメントを投稿しよう!