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りんごの魔女アプル
昔、昔。あるところ。
おとぎの国の片隅に、世界一かわいい私が住んでいました!
そしてなんと、今日はそんな私の、十四歳の誕生日!
つまり一年間のうち世界で最高の日なわけで、もう私は朝からわくわくが止まらない。
魔法の目覚まし時計より十分も早く目覚めた私は、階段を駆け下りてリビングに直行する。
「おはよう、ママ!」
「おはよう、アプル。なんだい、朝から慌ただしいね」
呆れ顔のママを通り越して、私はプレゼントの山にダイブした。
さすが人気者の私! プレゼントがこんなにたくさん!
「なんだい、パジャマで降りてきたのかい。そのまま誕生日パーティに出るわけにもいかないだろう」
「えー、先にプレゼントを開けてからでいいでしょ?」
答えを訊く前に、私は一つめのプレゼントの包み紙を開けていた。
「あ、こら。勝手に――まあ、今日は早起きしたみたいだし、仕方ないか」
なんて、ママのため息を聞きながら、一つずつ丁寧にプレゼントを並べていく。
ぬいぐるみや本なんかもあったけど、服とかアクセサリーが多いかな。
「やっぱり私ってかわいいくって、何を着ても似合うから、みんないろんなものを着てほしくなっちゃうのよねー」
「はいはい。かわいいのは認めるから、図に乗らないの」
「痛っ」
ママが木べらの柄で、軽く私の頭を叩いた。
むー。ママってばつれないんだから。
ま、いいか。誕生日の今日、ママが木べらを持っているってことは、今ママは私の大好物のアップルパイを作ってるはず。
大工魔女のママは、お菓子でお家が建てられるくらいお菓子作りが得意だ。
そんなママのアップルパイはいつも絶品で、味を思い出すだけでついついニコニコしちゃう。
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