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久しぶりに夢を見た。 とても、悲しい夢を。 『真、さん…』 夢の中で、俺はただ真っ白な空間に立っていて、目の前に、しゃがみこんでいる誰かの後ろ姿があった。 すぐに真さんだとわかった。 『…ヤス』 久しぶりに、名前を呼ばれて、とても嬉しいはずなのに、その声は酷く悲しそうで、寂しそうで、話したいことは沢山あるのに、何も言葉が出てこなかった。 『ヤス』 『え…?』 振り向いた真さんの体から、突然、真っ赤な血が噴き出した。 『…ぁ……ぁあっ………』 『ヤス…!…痛いっ………助けて…!』 あの、事故の時と同じように、体中から血を流して、俺に、淡い黄色のマフラーを必死に差し出してくる。 『真、さん……』 『ヤ………ス……』 「っ…!!」 夢の中で、真さんがまた死んでしまう前に、俺は目を覚ました。 隣では、夢で見た顔が心配そうに俺を覗き込んでいる。 「…真、さん……」 「……っ…」 その戸惑ったような表情で、意識が現実へと引き戻された。 そうだ…今眼の前にいるのは、真さんじゃない。 「ごめんマコ…ちょっと、怖い夢を見ただけ」 「怖い夢?」 「うん。とっても、怖くて悲しい夢」 「…大丈夫?」 「……大丈夫。大丈夫だよ」 マコに話しているようで、俺は自分自身に言い聞かせていた。 マコと真さんは違う。 全くの別人だ。 一緒にしちゃいけないんだ。 そんなこと、頭ではわかってる。 でも… 夢の中の真さんが、言っていた気がしたんだ。 『忘れないで』って。
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