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「真さ……あ、ごめん…。…マコ、醤油取って」
そんな風に、名前を呼ばれることが増えた。
「今日、これ着て出掛けよっか」
写真で見た真さんの洋服を、着せられることが増えた。
僕のすることに、あまり笑ってくれなくなった。
子供っぽいことをすると、顔をしかめることが増えた。
晩御飯のメニューが変わってしまった。
お酒の量が増えた。
変わったことをあげれば、キリがないほど、僕と圭くんの日々は、ガラリと変わってしまった。
僕は、知らないけど、きっと、圭くんは真さんと過ごした日々を、なぞっているんだと思う。
真さんは、子供っぽい僕とは違って、大人だった。
最近の晩御飯のメニューは、きっと全部真さんの好きな物で、お酒も、真さんは僕とは違って、とても強かったんだろう。
僕だって、出来るなら圭くんの期待に応えてあげたい。
だけど、幾ら勉強したって僕は真さんみたいに賢い大人にはなれないし、晩御飯だって本当は圭くんの作ったハンバーグが食べたい。
お酒だって、沢山飲んだら酔ってしまって、気分が悪くなる。
僕は、真さんにはなれない。
なりたくない。
幸せだったはずの穏やかな日々に、僕も圭くんも、だんだん疲れ始めていた。
幸せだったはずの二人の空気が、だんだん、壊れ始めていた。
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