14 Keigo.side

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14 Keigo.side

気がついた時にはもう、この家に、マコの姿はなかった。 ある日の朝、いつものようにおはようと挨拶を交わして、俺は朝食の準備をしていた。 そしてマコは、いつものように朝の占いを見ているはずだった。 でも、全てを終えて振り返った俺の目に映ったのは、新聞を手にしたマコの姿。 いや…その時の俺の目にはもう、それはマコじゃなく、真さんがそこにいるように見えてしまった。 俺の心はそれを真さんだと、認識してしまった。 きっと、マコの思惑通りに。 それからのマコは、まるで本当に真さんが乗り移ってしまったかのように、趣味趣向から、仕草や表情まで、真さんそのものになっていった。 マコは真さんのことを知らないはずなのに、何故そんなことが出来たのか…俺にははっきりとはわからないけれど、きっとマコはマコにしかわからない俺の態度の微妙な変化で、正解を見つけて行ったのだろうと思う。 その生活は、マコにとって、とても孤独だっただろう。 俺は、何にも気づかないままマコの心を傷つけ続け、そしてある日の夜…とうとう、壊してしまった。
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