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呆れて声も出ない。
「絶対に殺せる銃だから」とジャックは続ける。
その言葉に、つい乾いた笑いが出た。
「そりゃ死ぬだろ、実弾なら」
半笑いでそう言うと、
「この銃の弾は1つ」
とジャックが人差し指を立てた。
「1発だけ? ロシアンかよ」
「生憎、1発しか入ってないんでね」
「私は銃なんて撃ったことないぞ? 1発じゃ足りない」
全弾装填しても、予備の弾が欲しいくらいだ。
……確実に仕留めなければ。
「ははっ。乗り気じゃないか」
ジャックに指摘されて、はと気づく。
私は既に、仇に向けて銃を撃つ光景を想像していた。
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