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「『絶対に殺せる』っていうのはな、『殺すまで撃てる』ってことなんだ」
「……1発なんだろ? 外したらおしまいだろうが」
「いや、違う」
ジャックは自身に満ちている。
どこから来るんだ、その自信……
しかし、ジャックの顔は「私をからかって反応を楽しもう」という様には不思議と見えなかった。
「外しても、やり直せるのさ」
その心は?と私は顔で問いかける。
「この銃を持つと『仇の頭を撃つまで時間が巻き戻り続ける』のさ。弾を外した次の瞬間には発砲する前に戻ってる。手元の銃は『残弾1』だ」
「……馬鹿じゃん」
そのままの感情を口に出した。
オカルトかよ。と私は心底呆れ返った。
正直、残念に思った節もある。
結局インチキアイテムを売りつける算段なのだ。
……それにしても。ジャックは私を舐めすぎている。
今時、子供でも引っかからない。
「幸せになる100万円の壺」が「絶対に殺せる拳銃」に変わっただけだ。
「お前のペラペラな脳ミソじゃ分からんか」
ジャックはウザいセリフを吐くと、神妙な顔で続けた。
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